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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【41】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【41】

弘経大士宗師等
拯済無辺極濁悪
道俗時衆共同心
唯可信斯高僧説

天弘教(ぐきよう)の大士(だいじ)・宗師(しゆうし)等、
無辺の極濁悪(ごくじよくあく)を拯済(じようさい)したまふ。
道俗(どうぞく)時衆(じしゆう)ともに同心(どうしん)に、
ただこの高僧の説を信ずべしと。

(意訳)
七高僧は あはれみて
われらをおしえ すくいます
世のもろびとよ みなともに
このみさとしを 信ずべし

【正信念仏偈41】 ~念仏を正信する~

親鸞さまが著された『正信念仏偈』、むすびの四句を意訳を通して味わいましょう。

七高僧は あはれみて
われらをおしえ すくいます
世のもろびとよ みなともに
このみさとしを 信ずべし   (意訳)

親鸞さまは「信」を勧める言葉をもって、結びとされたのですね。『正信偈』の冒頭は、
無量寿如来に帰命し、
不可思議光に南無したてまつる

という親鸞さまご自身の「信」の表明から始まっていましたが、この二句と照らしあわせると、『正信偈』六十行百二十句すべてが「信」によって貫かれていることがわかります。ただ如来の誓いの名のりをはからいなく信ずる、それが『正信偈』のすべてなのですね。そして、ただ信ずるのみとは、今まさに、仏さまの慈悲がいたり届いているからでした

「けい蛄(こ)は春秋をしらずというがごとし
この虫あに朱陽(しゆよう)の節を知らんや」(論註)

曇鸞大師(どんらんだいし)の言葉にあるように、今年も蝉は、秋の訪れを待たずにいのちを終えていきました。春も秋も知らず、夏のあいだに生まれ死んでいくセミは「夏」すら知るよしもない。水なかで一生を終える魚が水を知らないように、夏蝉が夏そのものを知らないように、生きている意味すら知らず生きている凡夫。
その苦悩の凡夫のために、阿弥陀さまは、さわりなき救いを告げる名となって、生きる意味を照らしてくださっています。苦悩の凡夫を救わんがために、仏さまの方から、いたり届いてくださっている。

わたしたち凡夫のために、仏さまが名のりをあげてくださっている。どうか、みなともに、この如来大悲の名のりを聞かせていただきましょう…と、親鸞さまは『正信偈』六十行百二十句をもって、ただ私たちに「信」を勧めておられるのですね。

「子供のころ遊び回っていた、福岡県のお寺の庭の土の匂いがします。二才年上のみどりちゃんとかけっこをしていて転んだ、そのときにつかんだ草についていた土です。石を持ち上げたらカブトムシが死んでいて、そのカブトムシの匂いが、急に浮かんできました。」

世界最優秀ソムリエコンクールで、田崎真也さんが優勝したときの表現です。わたしにはさっぱり意味不明ですが、この言葉には、世界中のソムリエが息をのんだそうです。わたしには意味不明であるけれど、その言葉に全身で頷かされている人がいる。その違いはまず、そのワインを飲んだことがあるかどうかにあるでしょう。田崎さんは、今まさに自分の口にひろがっているワインが語る味わい、色合い、香りを見事に言葉にされました。そのような言葉だからこそ、そもそもそのワインを飲んでいないわたしにはさっぱりわかりません。しかし、もっと言えば、たとえ飲んでいたとしても、わからないのでしょう。世界中のソムリエさんたちですら、田崎さんの言葉には思わず息をのんだのですから。

わたしたちは、今まさに自分が出遇っているものの意味を知りません。生きていることの意味を知りません。しかし何よりも大切なことは、このいのちに意味を与えてくださる言葉が、いたり届いていることでしょう。今まさにわたしが生きている、そのことの意味を照らし出してくださる言葉がある。それこそが、阿弥陀さまの誓いのみ名なのですね。

煩悩の海に没している凡夫のために、いのちのみ親が名のりを挙げてくださっている。この口にいただいている一声のお念仏が、まさしく息をのむほどの、生きる意味を照らしてくださっている。はからいなく、ともにお聞かせいただきましょう。『正信念仏偈』六十行百二十句のすべては、ただ「信」を勧めてくださっています。

南无阿弥陀仏

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