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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【20】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【20】

天親菩薩造論説
帰命無碍光如来
依修多羅顕真実
光闡横超大誓願

天親菩薩(てんじんぼさつ)、『論』を造りて説(と)かく、
無礙光如来(むげこうによらい)に帰命(きみよう)したてまつる。
修多羅(しゆたら)によりて真実を顕して、
横超(おうちよう)の大誓願(だいせいがん)を光闡(こうせん)す。

(意訳)
天親菩薩(てんじんぼさつ)『論』をとき
ほとけのひかり仰ぎつつ
おしえのまことあらわして
弥陀の誓いをひらきます

【正信念仏偈20】~天親菩薩(てんじんぼさつ)の教え①~

今回から七高僧の第二祖、天親菩薩(てんじんぼさつ)のみ教えを讃えられた一段を味わいます。天親菩薩(てんじんぼさつ)は五世紀ごろ、インドに出られた偉大な菩薩です。心のはたらきを徹底的にみつめ、唯識という仏教心理学を完成されました。そして『大無量寿経』のみ教えによって、『浄土論』という論書を著されました。親鸞さまは天親菩薩(てんじんぼさつ)のみ教えを大事にされ、お名前から「親」という一字をいただかれました。では、それはどのような教えだったのでしょうか。

まず天親菩薩(てんじんぼさつ)は「南无阿弥陀仏」のみ心を「帰命尽十方無碍光如来(きみようじんじつぽうむげこうによらい)」という言葉で明らかにされました。「帰命」とは「まかせよ」ということ。「尽十方無碍光如来(じんじつぽうむげこうによらい)」とは「いつでも、どこでも、誰であろうとも、さわりなくすくう」というお心です。妙好人の三河のお園さんはこのみ名のいわれを「おさしつかえなし、ご注文なし」と、やさしく味わわれています。たった一つの条件もなく、ただ「あなたをもらしはしない」とよび続けてくださっている、それが南无阿弥陀仏なのですよと、天親菩薩(てんじんぼさつ)は伝えてくださったのですね。
じつは皆さまお仏壇にかけられているご絵像は、この「帰命尽十方無碍光如来(きみようじんじつぽうむげこうによらい)」というみ名のいわれをお姿で表したものです。仏さまの方から立ちあがり、光を放っておられるあのお姿です。とくに注目していただきたいのは、仏さまを中心に、上下左右、すみずみにまでゆきわたるように光が放たれているところです。じつは、このような描きかたは浄土真宗だけなのです。それは、いつでも、どこでも、誰であろうとも漏らしはしないという、「尽十方無碍」のお心を表しているからです。しかし、「いつでも、どこでも、誰でも」とは、いったいどういうことでしょうか。
みなさまコンビニはよく行きますか?私は学生時代、コンビニ症候群(※そんな病気はありません)にかかったことがあります。とくに買いたいものもなく、用事もないのに、なぜか毎日、ふらっとコンビニに寄ってしまうのですね。で、手ぶらで出るのも悪いので、缶コーヒーとかを買ってしまうのです。あるとき散髪屋さんで「なんででしょうねえ?」と話していたのですが、仰いました。
「そりゃ武田くん、さびしいんじゃろ。コンビニ行ったら、二十四時間いつでも電気ついとるし、いつでも誰かおるし、店員さんも声かけてくれるじゃろ。そりゃさびしいんよ。」
まさに、言いえて妙ですね。もう二十年くらい前と思いますが、「そうだったのか!」と自分に気がついたのを今でも覚えています。しかし、どうでしょうか。たしかにコンビニは二十四時間いつでもあいていますが、みなさんはコンビニが一日中あいているのを見た人がいるでしょうか。刑事ドラマのように二十四時間コンビニをはりこんだら、分かるかもしれませんが、まずそんな人はいないでしょう。そしてもちろん、そんな必要もありませんね。では、私たちが「コンビニはいつでもあいている」というとき、それは何を意味しているでしょうか。それは「今あいている」ということです。何か買いたいと思ったとき、「今あいているだろうか」「もう閉まっただろうか…」などという心配をする用事がないということ。それが「二十四時間営業」ということですね。阿弥陀さまのみ心もおなじです。「いつでも、どこでも、誰でも、もらしはしない」、それは、わたしがもれる心配をする用事がない、ということなのです。
いつでもとは「今」ということ。どこでもとは「ここ」ということ。誰でもとは「わたし」ということ。つまり「今、ここの、わたしがもれようがない」、それが「南无阿弥陀仏」のみこころであるということを、天親菩薩(てんじんぼさつ)は「帰命尽十方無碍光如来(きみようじんじつぽうむげこうによらい)」というみ名によって、明らかにしてくださったのですね。
ともにお念仏をいただきましょう。私たちがどんなに漏れようとしても、漏れようのないお慈悲が届いています。  南无阿弥陀仏

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