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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【19】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【19】


憶念弥陀仏本願
自然即時入必定
唯能常称如来号
応報大悲弘誓恩

弥陀仏(みだぶつ)の本願を憶念(おくねん)すれば
自然(じねん)に即の時必定(ひつじょう)に入る
ただよくつねに如来の号(みな)を称して
大悲弘誓(だいひぐぜい)の恩を報ずべしといへり

(意訳)
弥陀の誓いに 帰しぬれば
不退のくらい 自然(じねん)なり
ただよくつねに み名となえ
ふかきめぐみに こたえかし

【正信念仏偈19】~龍樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)の教え③~

浄土真宗のかなめは、必ずといえる道をたまわるところにあります。お浄土に生れるというも、仏となるというも、それが必ずと言えることがらでなければ、本当の安らぎにはなりません。生と死をつらぬいて必ずといいきらせていただける道こそがお念仏であり、そのことをはじめて明らかにしてくださった方が龍樹菩薩でした。ただし、それは私がこれから何か確かなものをつかみとっていく道ではありません。龍樹菩薩が教えてくださった道は、今ここに届いている、現に届いている如来さまのまことをいただく道でした。

弥陀仏(みだぶつ)の本願を憶念(おくねん)すれば
自然(じねん)に即の時、必定(ひつじょう)に入る
ただよくつねに如来の号(みな)を称して
大悲弘誓(だいひぐぜい)の恩を報ずべし といへり

南无阿弥陀仏にこめられた如来の大悲を思いうかべるならば、おのずから道はさだまる。
ただ仏のみ名をいただいて、大悲のご恩にこたえなさい…、そう龍樹菩薩は仰いました。
ここで、お念仏を大悲弘誓(だいひぐぜい)の「恩」として表されていることに注目してみましょう。
「恩」という字は原因の「因」に「心」と書きます。まず上半分の「因」という字ですが、これは「為されたこと」を意味します。因という字はもともと、筵(むしろ)に人の型がついているすがたを象形しているといわれます。わかりやすくいうと、おふとんに人型が残っている感じですね。おふとんに人型が残っているということは、そこに人が寝ていたことを意味します。忠臣蔵でよくありますね。ガバッと布団をはぐるとまだ温もりがあり、ふとんに乱れが見られる。「まだ遠くには行っていないぞ!」という場面です。
(私もこれでしばしばお昼寝がバレます…)
このように「因」という字は、あらゆるものには、それが為されなければこれが有りえなかったであろう原因があり、それが目のまえの結果に刻まれていることを教えています。
そして「恩」の下半分の「心」という字は、そのような因を「心得る」ことを意味します。
つまり「恩」とは、これから何かをつかみとっていくことではなく、すでに為されたこと(因)を知る(心)ことなのですね。
為されたことを知ること、「恩」。ここには、果より因を知るというまなざしがあります。「ご馳走さま」や「お陰さま」という言葉もおなじですね。今は誰も走っていないけれど、目のまえの食事のなかに、多くの人が走りまわってくださった苦労をしのぶ、ご馳走さま。目には見えないけれど、いまの自分のなかに多くの人々のめぐみをよろこぶ、お蔭さま。
これらはすべて、果より因をしる「恩」というまなざしで貫かれています。それは、いま現に届いているもの意味を知ることです。
お念仏をいただくことも、果より因を知る「恩」というできごとでした。如来さまの慈悲とは、私たちががんばってつかむものではありません。ああなったら救われる、こうなったら救われる…。そのようなタラの向こうにようやく実現するものは、大悲とはよべません。タラの向こうではなく、今ここに届いているお慈悲のすがた。私のために、現に届いているお慈悲のかたち。それこそが阿弥陀さまのみ名であることを、龍樹菩薩は教えてくださいました。 たった一声であるけれども、このみ名のなかには、苦悩の凡夫を抱かずにおれなかった如来の大悲が刻まれているのですね。お念仏をいただくとは、如来の大悲をいただくことなのでした。
ああなったら…こうなったら…と遠くの方ばかり眺めている私たちですが、今ここに、私のために届いてくださっているお慈悲がありました。ともにお念仏いただきましょう。
一声一声のみ名のなかに、手も足も出ないほど大きな如来の大悲が刻まれています。いま現に届いている仏さまのおまことのなかに、必ずといえる道をいただきましょう。

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