広島の浄土真宗本願寺派 栢原山龍仙寺/納骨堂(永代に渡ってお守りいたします)

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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【21】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【21】

広由本願力廻向
為度群生彰一心

広く本願力の回向によりて、
群生を度せんがために一心を彰す

(意訳)
本願力のめぐみゆえ
ただ一心のすくいかな

【正信念仏偈21】~天親菩薩(てんじんぼさつ)の教え②~

天親菩薩は南无阿弥陀仏のおはたらきを「本願力回向(ほんがんりきえこう)」としてお伝えくださいました。「廻向(えこう)」とは、方向を転換して、ふりむけることです。ふつうは衆生がみずから積んだ善根の功徳を、世俗の利益のためではなく、自らのさとりや、他者のためにふりむけることです。しかしお念仏においては、廻向(えこう)するのは私たちではなく、阿弥陀さまの方でした。みずからの功徳のすべてをその名にこめて、苦悩の凡夫に恵み与える。それこそが、阿弥陀さまの願いでした。だからお念仏のはたらきを「本願力回向(ほんがんりきえこう)」といわれたのですね。
また天親菩薩(てんじんぼさつ)は、そのような阿弥陀さまの名号をいただいたもののすがたは「一心」のほかにはないことを明らかにされました。「一心」とは二心(ふたごころ)のないことです。たとえば明日のお天気であれば、「晴れだろうか」「雨だろうか」と、心は二つに分かれます。それはまだ決定していないからです。しかし、今日の天気であれば、もはや迷う余地はありません。決定しているものの前では、私たちの心は分かれようがありません。それを一心といいます。仏さまがすべての功徳をこめて、「さわりなく救う」と届いてくださっている。このまことの仰せを聞くならば、「救われるか」「救われないか」と私たちが心配をする余地すらありません。そのすがたを天親菩薩(てんじんぼさつ)は「一心」といわれたのですね。

姉、姉、わたし。団子三兄弟という歌が昔流行りましたが、三人としごで育ったわたしも、子供のころはいつも三人一緒でした。今は二人ともお寺に嫁ぎ、三人それぞれ自分のお寺を守っています。しかし離れていても、同じ親をもった兄弟がいてくれるということは、やはり心強いものですね。
少し前の話ですが、次女と二人で食事に出て、昔話に花が咲いたことがありました。私はいまでも忘れっぽいのですが、小学校のときは忘れものをしては叱られていました。忘れ物をすると「スモッグ忘れ…武田」とか黒板に描かれるのですが、なかなかわたしの名前が消えないのですね。そんな恥ずかしいこともふくめ、二人でいろんな話をしました。
「小学校は、いつも一緒にバスで通ってたね。ああ、そういえば、バスの中ではいつも二人で座ってたけど、変な人もいたよね。
『お、二人とも仲がいいね、カップルか?』
なんて言ってくる人もいたけど、いま考えたら、大人げないなあ。でも、あなたは気が強いから、負けずに言いかえしてたよね。
『あほう!わたしらきょうだいじゃけえ!』
あれはわが姉ながら、強いなあって思ってたよ・・・・あれ?そういえば、あの人(長女)はどうしよったんじゃろ?」
ふと、バスの中で長女と一緒に座っている記憶がわたしにないことに、気がつきました。
「ああ、あの人はね、いつも立っとったよ。」
ストンと腑におちる、姉の一言でした。三人一緒にバスで通っていたはずですが、子供とはいえランドセルが大きいので、三人掛けはできなかったのでしょう。長女は二人を座らせるために、いつも、立っていたのですね。
二人がいつも座っていられたのは、姉が立っていてくれたからでした。大人げない人がいても、「あほう!」と言いかえせていたのは、姉がいつもそばで見守ってくれていたからでした。私たち二人がその存在すら忘れるほど安心しきってバスに乗っていた、まさにその姿が、長女が立っていてくれた姿なのでした。

本願力の めぐみゆえ  ただ一心の すくいかな (正信偈・意訳)

阿弥陀さまは、すべての徳をその名にこめて、わたしたちに恵み与えてくださっています。
「南无阿弥陀仏―さわりなく救う―」と、立ちつづけ、喚びつづけてくださっています。ともに、お念仏いただきましょう。私たちがもれる心配すらなく救われていく   そこに、阿弥陀さまが立っていてくださいます。

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