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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【16】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【16】


印度西天之論家
中夏日域之高僧
顕大聖興世正意
明如来本誓応機

(意訳)
七高僧はねんごろに
釈迦のみこころあらわして
弥陀の誓いのめあてをば
われらにありとあかします

※七高僧… インド・中国・日本の七人の高僧。
インド:龍樹菩薩(りゆうじゆぼさつ)・天親菩薩(てんじんぼさつ)
中国:曇鸞大師(どんらんだいし)・道綽禅師(どうしやくぜんじ)・善導大師(ぜんどうだいし)
日本:源信僧都(げんしんそうず)・法然聖人(ほうねんしようにん)

【正信念仏偈16】~わたしに沿って~

今月からお正信偈の後半に入ります。前半では阿弥陀仏の本願が、釈尊の教えを通して仰がれていました。後半では、釈尊から親鸞さままでこの教えをお伝えくださった七人の高僧の教えが顕されています。インドの 龍樹菩薩(りゆうじゆぼさつ)・天親菩薩(てんじんぼさつ)、中国の曇鸞大師(どんらんだいし)・道綽禅師(どうしやくぜんじ)・善導大師(ぜんどうだいし)、日本の源信僧都(げんしんそうず)・法然聖人(ほうねんしようにん)の七人です。では、これら七高僧(しちこうそう)は、何を明らかにしてくださったのでしょう。
「如来(によらい)の本誓(ほんぜい)、機に応ぜることをあかす」 阿弥陀さまのご本願はわたしに応じて起されていた。この一事を明らかにしてくださったといわれるのですね。仏さまの願いがわたしに応じて…。これはどういうことでしょう。

先月、幼稚園で七夕がありました。園児たちがそれぞれの願いごとを書いて、笹にくくりつけています。「ドラえもんになりたい」「歯医者さんになりたい」…。なかでもひと際、あたたかい願いごとがありました。
「おかあさんになりたい (ゆうすけ)」
書いたのは男の子だと思いますが、なんとも心あたたまりますね。どんなときでも自分を包んでくれるおかあさんが、大好きで大好きで、自分もこんなぬくもりを与えられる人になりたい…と、その子は思ったのでしょう。
日本には「おふくろ」という言葉があります。これは風呂敷が語源といいます。なぜ、風呂敷がお母さんなのか。それは箱とくらべるとよく分かりますね。箱はそれがどんなに立派でも、型がきまっています。だからその型にあったものしか納められません。たとえばお寺のご文章箱は漆が塗られた美しいものですが、黒田選手のサインボールは納められません。形が合わず、フタが浮いてしまいます。一方、風呂敷はそもそも布ですから、「こうでなければ…」という型がありません。型がないからこそ、硬いものでも柔らかいものでも、四角いものでも丸いものでも、その物の形にそって包むことができるのですね。

「箱に物をいれる」と「物を風呂敷でつつむ」。これらは発想が、まるで逆なのです。自らの型をもたず、どんなものでも、その形にそって包みこむ風呂敷。それが母親の姿に似ているので「おふくろ」という言葉ができました。
もし母親にたった一つでも「こうじゃないとウチの子じゃない」という型があったら、とても赤ちゃんは生きられません。人はみな、黒白の見分けもつかず、自分のいのちすら責任もてない状態で、この世に生をうけます。しかし、何もわからないいのちだからこそ、何の力もない弱いいのちだからこそ、母親はたった一つの条件もつけず、そのいのちの形にそって包んでいくのでしょう。泣いていても笑っていても、おしっこしてもウンチしても、そのいのちの形にそって…。まさに、おふくろですね。以前、日曜学校でこの話をしたとき、Mくんという男の子がいいました。 「ふろしきにも、大きさはあるよ。」
ほんと、そうですね。風呂敷にも一つだけ、大きさという限界が残ります。おなじように、親にも人間としての限界があります。お前のすべてを抱いてやりたい…といつの世にも親は願うでしょう。しかし、親にも人間として限りがあります。すべてを抱ききることは、かないません。そのとき、気付かされました。そうか、その大きさという最後の型すらないぬくもり。端っこがみえない風呂敷のように、たとえいかなる状況でも、わたしが漏れようなく包みきられていくお慈悲のはたらき、それが阿弥陀さまのご本願だったのだな…と。
なんのために生まれてきて、どこに行こうとしているのか。自分のいのちすら責任のもてない煩悩具足の凡夫にそって、仏さまの願いはたてられていました。いかに漏れようとしても、漏れようのないお慈悲がありました。この一事をお伝えてくださったのが、七高僧(しちこうそう)だったのですね。わたしに沿って、たてられている阿弥陀さまのご本願。お念仏いただいて、ご一緒にお聴聞いたしましょう。

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