広島の浄土真宗本願寺派 栢原山龍仙寺/納骨堂(永代に渡ってお守りいたします)

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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【2】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【2】


法蔵菩薩因位時
在世自在王仏所
覩見諸仏浄土因
国土人典之善悪
建立無上殊勝願
超発希有大弘誓

法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)の因位(いんに)のとき
世自在王仏(せじざいおうぶつ)のみもとにましまして
諸仏の浄土の因
国土人天(にんでん)の善悪を覩見(とけん)して
無上殊勝(むじようしゆしよう)の願を建立(こんりゅう)し
希有の大弘誓(だいぐぜい)を超発せり

(意訳)
法蔵比丘(ほうぞうびく)のいにしえに
世自在王(せじざいおう)のみもとにて
諸仏浄土の因たずね
人天(ひと)のよしあしみそなわし
すぐれし願をたてたまい
まれなる誓いおこします

【正信念仏偈2】~希有なる願い~

親鸞さまが名号のおいわれがひもとかれたもの。お正信偈の内容はこのほかありません。小さな窓のまえに立つと、見たこともない風景が、見わたすかぎりひろがっていた。ちょうどそのように、わずか六字の御名のなかに、くみつくせない仏の慈悲が広がっています。そして親鸞さまの眼にまずはじめに映った景色は、『無量寿経』に説かれた阿弥陀仏の本願でした。本願とは、仏さまが因位のとき、つまり悟りをひらく前にたてた誓願です。
すべてのものごとには原因があります。因がなければ結果はありません。リンゴが木から落ちることにも、煙が上にのぼることにも、原因があります。もちろん、いま原稿を書いている私のお腹が痛くなっていることも、例外ではありません。すべてのものごとには、それを生じさせる因があるのです。(ちなみに私の腹痛はピロリ菌が一因のようです)
そして何事も、そのものだけではなく、それを生じさせたものとのつながり、つまり因果という流れのなかで見つめなければ、本当の姿はわかりません。阿弥陀さまの名号にも、その名を生んだ原因がありました。名号のいわれをひもとくとは、まさにその〝因〟を明らかにすることであり、それはまず第一に、仏さまの願いを明らかにすることでした。
久遠の過去に世自在王仏という仏さまがいらっしゃいました。そのとき一人の国王が仏さまの尊さにうたれ、自らもさとりをひらいて世の人々を救いたいと思いたちました。そして法蔵菩薩という一人の求道者となられました。菩薩はまず世自在王仏のみもとで、210億のもろもろの仏さまがたのさとりの世界をご覧になりました。そして、どうしたら人々がその世界に生れることができるかをすべて見通されました。その上で、いまだかつてどの仏さまも発されたことのなかった、希有の大いなる誓願をたてられました。これが阿弥陀仏の本願といわれるものでした。

2010年6月、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還しました。人類史上はじめて地球の重力圏外の小惑星に降り立ち、地球に帰ってきたのです。じつに七年間、一時は宇宙で行方不明になりながらも、60億キロの旅路をへて、地球に帰ってきたそうです。ただし実際に地表に届いたものは、カプセルのなかに納められた微小な石のかけらだけでした。はやぶさそのものは、大気圏で燃えつきたそうです。その小さな石のかけらは、何も知らない人には、目にもとまらない塵のようなものに過ぎないでしょう。しかしその計画に携わった人たちは、その一粒に、まさに万感の想いを抱かれたことでしょう。

「その帰路に己を焼きし はやぶさの
光輝(かがや)かに明かるかりしと」 (皇后陛下)

顕微鏡でなければ確認できないほど小さな石のかけら。しかしそのかけらは、60億キロの宇宙の旅がなければ、いま地上にありえないものでした。その〝因〟に思いをはせるときはじめて、人はその小さな石のかけらの本当のすがたに出遇います。だから、みな心動かされるのでしょう。そして、はやぶさが自らを焼きつつ地表に届けた微小なかけらには、46億年前の太陽系誕生にかかわるほどの情報が記憶されているのだそうです。

  法蔵比丘(ほうぞうびく)のいにしえに
  世自在王(せじざいおう)のみもとにて
  諸仏浄土の因たずね
  人天(ひと)のよしあしみそなわし
  すぐれし願をたてたまい
  まれなる誓いおこします

名号はわずか六字の仏さまの名にほかなりません。しかしこの名は、いまだかつてどの仏さまも発されたことがない大いなる願いがなければ、ありえませんでした。それはいったい、どのような願いであったのでしょうか。法蔵菩薩の大いなる願いをききひらくとき、私たちははじめて、この六字の御名の、本当のすがたに出遇います。

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