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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【40】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【40】

還来生死輪転家
決以疑情為所止
速入寂静無為楽
必以信心為能入

生死輪転(しようじりんでん)の家に還来(かえ)ることは、
決するに疑情をもつて所止(しよし)とす。
すみやかに寂静無為(じやくじようむい)の楽(みやこ)に入ることは、
かならず信心をもつて能入(のうにゆう)とすといへり。

(意訳)
迷いの家に かえらんは
疑う罪の あればなり
さとりの国に うまるるは
ただ信心にきわまりぬ

※寂静無為の楽…あらゆる煩悩を克服したさとりの境地のこと。

 

【正信念仏偈40】~法然聖人の教え③~

「煩悩」という言葉に象徴されるように、仏教では、苦しみの原因は他者にあるのではなく、自己の愚かさにこそあると説きます。あらゆるものを自己中心的に考えているその心こそが、みずからを〝煩〟わせ〝悩〟ましている。ゆえに煩悩の滅っしたところにこそ、涅槃の安らぎがある。そうお釈迦さまは説かれたのですね。これは非常に明快な教えです。しかし、話がわかることと、それができることは、次元が異なります。実際、他者のことを考えているのか、自分のことしか考えていないのか、それすら自分ではわかりません。以前、へんてこな夢を見たので家族に話していたら、そう話していることも夢だった…ということがありましたが、精いっぱい相手のことを考えようとしている、その心の根っこから、自己中心性に支配されている…。人間の心とは、そういうものではないでしょうか。

中国に鳥窠禅師(ちようかぜんじ)と白楽天(はくらくてん)の有名な話があります。「仏教とは何か」と尋ねる白楽天に対し、鳥窠禅師(ちようかぜんじ)は「悪を作さず、善を行うことだ」と答えます。「そんなことなら三才の子供でもわかる」と笑う白楽天に対し、禅師は「三才の子供でもわかるが、八十の老人でもできないのだ」と答えたといいます。苦悩の原因は煩悩とわかっても、己の煩悩ほど見がたいものはない。ここに仏道の難しさがあるのでしょう。ところが法然聖人は、まったく異なる苦悩の超え方を説かれました。

迷いの家に かえらんは
疑う罪の あればなり
さとりの国に うまるるは
ただ信心にきわまりぬ (正信偈、意訳)

生死の迷いをこえられるかどうかは、弥陀の本願を信ずるか疑うかにあり、心の善し悪しは問題ではないと言い切られたのですね。これはいったい、どういうことでしょうか。
「おふくろさん」という言葉は、風呂敷が語源だといいます。なぜ、お母さんが風呂敷なのか、それは箱と比べるとよく分かります。箱はどんなに立派なものでも、形が決まっています。ですからその形にあったものしか収められません。しかし風呂敷は、どんなものでも包むことができます。
丸いものでも四角いものでも、固いものでも柔らかいものでも、そのものの形に沿って。風呂敷には「こうでないとダメ」という型がないからですね。箱にものを収めるのと、ものを風呂敷で包むのは、発想が反対なのです。
お母さんも同じでしょう。もし「こうでなければダメ!」という型が一つでもお母さんにあったら、赤ちゃんは生きていけません。そもそも、道理も何もわからず、何をするかわからないのが赤ちゃんなのですから。だからお母さんは風呂敷のように、生まれてきたいのちをそのまま、包み込んでいきます。おしっこしてもうんちしても、ひたすら、その命のかたちに沿って。おふくろさんという言葉には、赤ちゃんの弱さが織り込みずみなのですね。

迷いの家にとどまるか、悟りの都に入るか。それは信ずる心ひとつであり、心の善し悪しは問題ではないと法然聖人は説かれました。それは、南无阿弥陀仏という御名には、凡夫の愚かさが織り込みずみだからでした。つまり、いのちのみ親がまします、そのことひとつを法然聖人は伝えてくださったのですね。

「なっちゃん、まんまんちゃんがおられるんよ。まんまんちゃんに、遇わせてもらうんよ」

以前、二才の娘にお風呂で話していました。

「まんまんちゃん おるん? こわい…」

まだ仏さまとおばけの区別がつかないようですが、いつの日か、うちの娘もおなじみ親に出遇ってくれるのでしょう。ともにお念仏いただきましょう。いのちのみ親が、いらっしゃいます。

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