広島の浄土真宗本願寺派 栢原山龍仙寺/納骨堂(永代に渡ってお守りいたします)

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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【38】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【38】

本師源空明仏教
憐愍善悪凡夫人
真宗教証興片州
選択本願弘悪世

本師源空(ほんしげんくう)は、仏教にあきらかにして、
善悪の凡夫人(ぼんぶにん)を憐愍(れんみん)せしむ。
真宗(しんしゆう)の教証(きようしよう)、片州(へんしゆう)に興(おこ)す。
選択本願(せんじやくほんがん)、悪世に弘(ひろ)む。

(意訳)
源空上人 (げんくうしようにん)智慧すぐれ
おろかなるもの ああわれみて
浄土真宗 おこしては
本願念仏 ひろまます

【正信念仏偈38】~法然聖人の教え①~

法然聖人の(ほうねんしようにん)教えをまとめられた一段に入ります。一一三三年、法然聖人は美作(みまさか)の国(岡山県)に生れられました。父は漆間時国(うるまときくに)という武士でしたが、聖人が九つのとき、夜討ちで命を落としました。仇討ちを誓う九才の聖人に、父の時国はこう遺言したといいます。

「恨みに報いるに、恨みをもってするならば、ついに恨みはやむことがない。お前は恨みを捨てて仏の道に入り、憎いものも、愛するものも、平等に救われてゆく道を求めよ。」

憎しみは、それを捨てることによってのみ、止めることができる。そして仏の慈悲の前では、憎いものも愛するものも、善人も悪人も差別はない。父時国(ときくに)は最後に、お釈迦さまの言葉を伝えたのでした。聖人は遺言通り仏門に入り、一五の時に比叡山へ登られました。

どのような書物でも、三度読めば、完全に理解し、内容もそらんじたという非凡な法然聖人は、わずか三年で天台宗の教えを学びつくし、さらに二十四才のときには南都(なんと)へ遊学して他宗の碩学(せきがく)にも教えを請われました。しかし、何も得るところがなく、聖人は比叡山の黒谷(くろだに)へ戻って、ひとりお経蔵にこもり、あらゆる経典を読みぬかれました。

そして四十三のとき、善導大師の(ぜんどうだいし)『観経疏』(かんぎようしよ)によって、ついに生死(しようじ)いづべき道を、阿弥陀仏の本願に見出されたのでした。智慧第一の法然房とまで称された方が、四十三まで悩みぬかれたところに、抱えられていた問題の深さがうかがわれます。法然聖人を生涯かけて仰がれた親鸞さまは、晩年のお手紙のなかでその教えを「故法然聖人は、『浄土宗の人は愚者(ぐしや)になりて往生す』と候ひしことを、たしかにうけたまはり候・・」と聞き伝えてくださっています。智慧(ちえ)をきわめて迷いを断つのではなく、愚者(ぐしや)にかえって救われていく道。それこそが、法然聖人が見出されたお念仏の道でした。

わかってる、だいじょうぶ、まちがいない。人はいつの世にも「確かさ」を求め、知らないこと、支配できないこと、間違っていることを怖れます。とくに現代社会では、知識をたくわえ、技術でコントロールし、正しさで身を守ろうとする欲求が強いようです。しかし、地球の裏側のことまで知っていても、私は自分の生まれてきた意味を知りません。何万光年の彼方まで見とおせる望遠鏡があっても、人は執着を離れてものを見れません。そして正しさを握っているかぎり、わたしは誰かを傷つけるでしょう。もちろん、生きている中でおこるさまざまな問題を解決するには、知識や技術、善悪を分別する能力が欠かせません。しかし、生きていること自体が問題となるときには、それらがまったく役に立たない局面に、私たちは立たされます。智慧第一と称された法然聖人が「愚者になりて往生す」と説かれたわけは、ここにありました。

「黒白(こくびやく)も知らざる童子(どうじ)のごとく」

善悪の分別どころか、白と黒の見分けもつかない「愚」に還えるのだと法然聖人は仰います。生死の問題においては、それほど何もわかっていないのが凡夫であり、その凡夫ためにこそ、弥陀の本願は建てられているのだと。

そういえば先日、親子三人で散歩していると、二才の娘が、側溝をのぞき込んで言いました。

「あ、まっくろなわんわんだー!」

のぞいてみると、そこにはまっしろなネコが…。白黒どころかすべてまちがえている娘でしたが、法然聖人のことばが思い合せられました。
いつも大丈夫な顔をして、わかっている顔をして暮らしているわたしです。しかし、阿弥陀さまの眼のなかには、何も知らない凡夫として、親も子もおなじように、見通されているのですね。ともにお聴聞いたしましょう。大いなる慈しみの中で愚に還らせていただく道を、法然聖人は伝えてくださいました。

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