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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【37】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【37】

極重悪人唯称仏
我亦在彼摂取中
煩悩障眼雖不見
大悲無倦常照我

極重(ごくじゆう)の悪人はただ仏を称すべし。
われまたかの摂取(せつしゆ)のなかにあれども、
煩悩、眼を障(さ)へて見たてまつらずといへども、
大悲、倦(ものう)きことなくして、
常にわれを照らしたまふといへり。

(意訳)
罪の人々 み名をよべ
われもひかりの うちにあり
まどいの眼には 見えねども
ほとけはつねに 照らします

【正信念仏偈37】~源信(げんしん)和尚(かしよう)の教え③~

生涯、天台僧として比叡山に身をおかれていた源信和尚(げんしんかしよう)は、主著『往生要集』のなかでも、比叡山に伝わる摩訶止観(まかしかん)というきびしい修行をベースとした、観念の念仏をくわしく説かれています。観念の念仏とは、ひたすら心をとぎ澄まして、眉間の白毫相(びやくごうそう)をはじめ、阿弥陀仏の尊いおすがたを具体的に心に想い描いていく修行です。
さらに、その究極としては、想いえがいた仏さまのおすがたを通して、一切は空であるという真理を観じ、自身も仏さまも本来は空であって一つに融けあっていることを悟るのだと言われます。それは大乗仏教のきわめて高度な思想体系に裏付けられた、きわめて実践的な、心の修行方法だと言えるでしょう。和尚(かしよう)は『往生要集』のなかで、そのような観念の念仏の修行方法を具体的に説かれました。ただし、源信和尚はその観念の念仏を説かれている最後の箇所で、なんとも不思議な言葉を置かれています。親鸞さまのお正信偈では、そのご文がほぼ原文そのままで、次のように引用されています。

極重(ごくじゆう)の悪人はただ仏を称すべし
われまたかの摂取(せつしゆ)のなかにあれども
煩悩、眼を障(さ)へて見たてまつらずといへども大悲、倦(ものう)きことなくして、
常にわれを照らしたまふといへり。
(阿弥陀如来の光明は念仏の衆生を摂めとって捨てないとお経には説かれている。煩悩におおわれた眼ではその光を見ることはできないけれども、如来は大悲をもって、この身を照らし続けてくださっている。)

源信和尚は、仏さまを観るための行法を説きつつ、仏さまを見ることのできない自分に気づかれました。そして、仏さまを見ることのできない愚かな自分を、仏さまの方が、大悲もって見まもり、照らしつづけてくださっていることに気づかれたのですね。

何年も前の話ですが、はじめてハンディカム・カメラを買った時のことです。うれしくなっていろいろとカメラを回したものを、ちょうど遊びに来ていた甥っ子と一緒に、テレビで見ていました。内容は、けっして公開できませんが、坊守さんの一人チューチュートレイン(エグザイルのぐるぐる回るダンスです)など、なにげない日常生活を撮影したものでした。しばらく楽しそうに見ていた甥っ子でしたが、ふと口を開きました。

「おっじいは、どこにおるん?」
「あ、おっじいはね、これを撮っとるけえ、映ってないんよ。でも、ここにおるんよ。」
「・・えっ・・どこにおるん?」

考えてみれば、無理もないですね、当時まだ三才であった甥っ子には、わたしがビデオを回しているから映っていないということがわからなかったのでしょう。「えっ?」と何度も首をかしげていました。そのなにげない日常を、その瞬間、その角度から見つめている。本当はそこに映っているすべてが私のまなざしなのですが、なかなか、ちいさな甥っ子には分からなかったようです。
写真もそうですね、自分が本当に気に入っている家族の写真こそ、自分が写っていないものが多いです。それは、その写真をとっているのが自分であり、そこに写っている全体がわたしの想いそのものだからです。甥っ子も、うちの娘も、いつの日か気づくのでしょう。そこに映っている小さな自分の姿が、そのように見まもってくれている親のまなざしそのものであることに、いつかかならず気づくのでしょう。

まどいの眼には 見えねども
ほとけはつねに 照らします   (意訳)

煩悩のまなこで仏さまを探すのではなく、仏さまに見つめられ、仏さまに抱かれていることをお聞かせていただきましょう。私たちがお念仏称えているすがたこそ、阿弥陀さまのみ手のなかにあるすがたなのですから。

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