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正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【26】

正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)【26】

惑染凡夫信心発
証知生死即涅槃

惑染(わくぜん)の凡夫(ぼんぶ)、信心発(ほつ)すれば、
生死(しようじ)すなはち涅槃(ねはん)なりと証知(しようち)せしむ。

(意訳)
まどえる身にも 信あらば
生死(まよい)のままに 涅槃(すくい)あり

【正信念仏偈26】~曇鸞大師(どんらんだいし)の教え③~

仏法は生死(しようじ)をこえる道と言われます。生死(しょうじ)は「サンサーラ」というインドの言葉の訳語であり、煩悩を燃やして苦しみつづける迷いのありかたを意味します。それはどのような境界にあっても逃れられない、生きることそのものの苦しみなので、生死(しょうじ)と訳されました。
一方、その生死(しようじ)という迷いのありかたを超えた境地を涅槃(ねはん)といいます。涅槃(ねはん)は「ニルヴァーナ」というインドの言葉の訳語であり、炎が吹き消されたように、あらゆる苦を克服した大いなる安らぎを意味します。ですから生死と涅槃は、まる反対の内容ですね。しかし親鸞さまは、曇鸞大師の教えによって、次のように言われました。

惑染(わくぜん)の凡夫(ぼんぶ)、信心発(ほつ)すれば、
生死(しようじ)すなはち涅槃(ねはん)なりと証知(しようち)せしむ。

弥陀の本願を聞くならば、生きることの苦しみさえ、まことの安らぎに帰していくのだと。
しかし「生死すなわち涅槃」とは、炎が燃えているまま消えていると言っているようなものです。いったい、どういうことでしょうか。

以前、友人の結婚式のスピーチで、ある方が「茶碗が育つ」という言葉を紹介されました。「なんでも鑑定団」というテレビ番組のなかで、「荒木」というお茶碗が鑑定に出されたそうです。戦国武将に由来する逸品ということで、本人評価額は百万円!しかし鑑定の結果は…十五万円。ガッカリですが、鑑定士の中島誠之助さんはこう仰ったそうです。

「このお茶碗は、おそらくベトナムで作られたものでしょう。しかしこのお茶碗は、よく育ったお茶碗ですねえ…。このお茶碗の持ち主は、本当にお茶が好きだったのでしょう。おそらく毎日毎日、一日も欠かさず、このお茶碗でお茶を飲んでこられたのでしょう。手にとって拝見していると、それがよく分かります。このお茶碗は、よく育ったお茶碗です」

はじめは耳を疑ったけれど、聞いているうちに全身で頷かされましたと、その方は仰っていました。お茶碗は作られたときが完成ではないということですね。長い年月をかけて、何度もお茶をたてていただいていくうちに、茶渋や手の脂などが沁みこんで、何ともいえない色あいが出てくる。それを「茶碗が育つ」というのだそうです。おもしろいですね。

「夫婦も育っていくものではないでしょうか。いつの日か、『よく育った夫婦ですね』と言われるように、夫婦生活を営んでください」
とスピーチを結ばれていました。いいことを仰るなあと感心しつつ、私には思いもよらない言葉が成りたっている世界があることに、気づかされました。私のなかでは「茶碗」に「育つ」という述語はつきませんでした。「夫婦」も「育つ」ものではありませんでした。しかし、そのような言葉が出てくる世界が、実際にあるのですね。

苦しみとは、安らぎのないこと。安らぎとは、苦しみがなくなること。私たちはそのように考えて、苦から逃れることばかり考えてはいないでしょうか。そのかぎり、生死と涅槃も、まる反対でしかありません。しかし、親鸞さまは「生死(しようじ)すなわち涅槃(ねはん)なり」といわれました。そう言い切らせていただける道がある。それがお念仏だということですね。

「人は苦が堪えられないのではなく、無意味な苦が、堪えられないのです。だからこそ、そこにしっかりと意味を見出せたなら、人はどんな苦をも背負っていけるのですなあ…」
と、梯實圓和上は仰っていました。生きることの苦しみのなかにさえ、尊い意味を照らしだす智慧のひかり。わたしの苦しみを、けっして苦しみのままで終らせることのない慈悲のぬくもり。それが弥陀の本願なのですね。

ともに、お念仏いただきましょう。仏さまのみ手のなかで、「生死(まよい)のままに、涅槃(すくい)あり」と言いきらせていただける道が、いまここに開かれています。

南无阿弥陀仏

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