仏事のこころえ『法事』
法事はするものではなく、御縁に遭うものです。故人の命日を縁として、故人を偲びながら心静かに仏様の教えを聞き、日頃おろそかにしている命の問題、人生の問いに心を傾け、仏恩をよろこび、御先祖のおかげを感謝し、自分の生き方を反省する日です。
《日時の決定》
お寺に相談に行き、方位の日時を決める。電話でとりあえずお願いしてもかまいませんが、約束ちがいの起こらないよう、後でかならず正式にお寺にお願いに行き、確認しておきたいものです。
◎礼儀正しい服装をして参拝する。法事を営む家の主人は特に気をつけましょう。お参りして下さる人が正装をし、迎える主人がだらしない服装では失礼です。
※心がこもっていれば形はどうでもよい、と言われる人もいますが、形がくずれると心もくずれ易いものです。形を整えることによって心もひきしめたいものです。服装を整えた上に、式章(門信徒用輪袈裟)をかけ、お数珠を持ってお参りします。
◎料理や茶の子・記念の品などは、質素にし、心のこもった精進料理で接待しましょう。
◎お仏壇の清掃、おかざりはもちろん、家の掃除、庭の手入れ、玄関先の道路に水を打つなどして、お客様が気持ちよくお参りして下さるよう心配りをしたいものです。
※前もって上質のお香を焚いておくと、家中にかぐわしい香が満ちて、おくゆかしいものです。
◎法事は宴会ではありませんので、食事の接待におわれて主婦がお経や法話の御縁にあえないようではいけません。みんなそろって御縁にあいましょう。
◎定刻の少し前に炭火(お焼香用が仏具店にあります)に火をつけて、香(お焼香用)を用意しておく。
《初七日法要》
亡くなられた日を数えて七日目に行う法要です。身近な人々が集まって法要を営みます。
《中陰法要》
初七日以後、七日目ごとに、ニ七日、三七日、………七七日(四十九日)まで行う法要です。身近な肉親が集まって御縁に遇います。
《満中陰法要》(四十九日)
四十九日は三ヶ月越しになってはいけないなどとよく言われますが、全く意味のないことです。仏教徒はそんな愚かな迷信にまどわされてはいけません。(四十九が身につくというごろあわせにすぎません。)
できるだけ当たり日にします。都合でできない場合は、当たり日に近い日曜、休日などみんなが集まり易い日を選んで、お寺と相談して時間を決めましょう。
◎男は四十九日、女は三十五日などという人もいますが、まるでデタラメなことです。三十五日の法事をするということはありません。あくまで満中陰(四十九日)の法要を行うのであり、当たり日にするか、とりこしてするかの違いです。
《百ヶ日法要》
満中陰(四十九日)までは皆よく知っているのですが、つい忘れ易いのが百日目に勤める百ヶ日の法要です。身近な人だけでも集まって御縁に遇いましょう。
《月忌法要》
昔は命日の前日に勤めていたので逮夜まいりとも言いますが、一年一度の祥月命日だけでなく、毎月の命日に法要を勤めるものです。月に一度は故人の遺徳を偲びながら、仏縁を深めたいものです。
《年回法要》
一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十五回忌、三十三回忌、五十回忌、以後五十年ごと。