仏事のこころえ『挨拶』
葬式でも法事でも、挨拶はまとめて話すことが大切です。時々とりとめもなく、ダラダラと長い挨拶をする人がいますが、前もって話す要点を考えておきましょう。
言葉使いには気をつけ、浄土真宗の門徒としてふさわしい言葉を考えましょう。
◎悪い例
「草葉のかげで」………昆虫ではありません。
「冥福を祈る」…………冥土(くらやみの世界)には幸福はありません。
「安らかにお眠り下さい」…死ぬことは眠ることではありません。
「幽明境を異にして」…お慈悲に結ばれたお互いには断絶はありません。
◎浄土真宗にふさわしい言葉遣い
「お浄土でみ仏となって、私共を見守り、お導き下さい。」
「△△さんを偲んでお念仏申させていただきます。」
「この世では再び会うことは出来ませんが、△△さんはみ仏とともに、私の心に生き続けて下さることでしょう。」
《葬式の挨拶》
[例文(1)]
親族を代表して一言ご挨拶申し上げます。皆様には公私共ご多忙の中を、ご会葬下さいましてまことに有難うございました。厚く御礼申し上げます。
故○○は昨日未明、親族の見守る中を八十二年の生涯を終えて、眠るがごとく、やすらかに往生致しました。
生前は皆様の御厚情に対して、いつも「有難い、勿体ない」と感謝の言葉をのべておりました。
また、本日はこうしてたくさんの方々の御会葬をいただきまして、さぞ喜んでいることと思います。これからはみ仏と共に残りました私共を見守り、ささえ、導いてくれるものと思います。
又、皆様には生前の故人と同様に、残りました遺族に御厚情をたまわりますようお願い致しまして御挨拶にかえさせていただきます。有難うございました。
[例文(2)]
親族を代表して一言ご挨拶申し上げます。
故○○は、昨日○○時○○分不慮の事故によりまして逝去致しました。
諸行無常とお聞かせいただいておりますが、こうして現実となってふりかかってまいりますと、親族一同、ただうろたえるばかりでございます。
まだ心の整理もできておりません。何かと皆様にご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞ御かん容下さいまして残りまして遺族にお力添えいただきますようお願い申し上げます。
お忙しい中を御会葬いただきまして、本当に有難うございました。
《法事の挨拶》
◎法事を営む時、始まる前と後に施主が挨拶します。
[例]
・始め………本日はお忙しい中を皆様ようこそお参りして下さいました。只今より、父○○法名釈△△の一周忌法要を××寺御住職様のお導師によって勤めさせていただきます。それでは××寺御住職様よろしくお願い致します。
・終わり……これをもちまして父○○法名釈△△の一周忌法要終了させていただきます。御住職様には御丁寧な読経ならびに御法話有難うございました。皆様もようこそ御縁に遇うて下さいました。亡父も共に喜んでくれていることと思います。本当に有難うございました。
※最近、冠婚葬祭入門等色々と出回っていますが、浄土真宗としてはふさわしくないものもたくさんありますので、わからない事は、直接お寺の御住職にお尋ねしましょう。